皆さんは「乾癬」という病気をご存知でしょうか?
赤い斑点やフケのようなものが皮膚に現れ、強いかゆみを引き起こす、慢性的な炎症性皮膚疾患です。
実は、この厄介な乾癬、私たちの食生活と深い関係があるかもしれないんです!
今回は、アメリカの最新の研究で明らかになった、乾癬と食事の関係について、分かりやすく解説していきます!
アメリカの大規模調査で判明!
アメリカ国立衛生統計センターが行なっている、国民健康栄養調査(NHANES)をご存知ですか?
これは、アメリカ国民の健康状態や栄養状態を把握するために、定期的に実施されている大規模な調査です。
この調査から、なんと23,311人もの膨大なデータを集め、乾癬と食事の関係を分析した研究が行われました。
一体どんな関係があったのか? それは…
抗酸化物質をたくさん摂ると乾癬リスクが低下?!
なんと、食事から抗酸化物質をたくさん摂っている人ほど、乾癬になるリスクが低いという結果が出たんです!
「抗酸化物質ってなんだっけ?」と思った方もいるかもしれませんね。
私たちの体内では、常に「活性酸素」と呼ばれる物質が発生しています。
活性酸素は、体内に侵入した細菌やウイルスを撃退してくれるという、良い面もある一方、増えすぎると正常な細胞まで攻撃してしまう、困ったちゃんでもあるんです。
そこで活躍するのが抗酸化物質!
抗酸化物質は、この活性酸素を除去してくれる、いわば私たちの体の守護神のような存在なんです!
ビタミンA、C、E、セレン、亜鉛などが有名ですね。 野菜や果物、海藻などに多く含まれているんですよ!
今回の研究では、「複合食事抗酸化指標(CDAI)」を用いて、被験者が食事からどのくらい抗酸化物質を摂取しているかを数値化しました。
そして、CDAIが高い(=抗酸化物質摂取量が多い)グループほど、乾癬のリスクが低いことが明らかになったんです!
特にビタミンEに注目!
さらに興味深いことに、CDAIを構成する個々の成分(ビタミンA、C、Eなど)と乾癬の関係を調べたところ、ビタミンEにおいて特に強い関連が見られたんです!
ビタミンEをたくさん摂取しているグループは、そうでないグループに比べて、乾癬の発症リスクが有意に低かったという結果が出ています。
ビタミンEは、アーモンドやほうれん草、アボカドなどに豊富に含まれています。
食生活の改善で乾癬を予防・改善できるかも?!
今回の研究結果は、食生活の改善、特に抗酸化物質を豊富に含む食品を積極的に摂ることが、乾癬の予防や症状改善に役立つ可能性を示唆しています。
ただし、注意が必要なのは、今回の研究はあくまでも「食生活と乾癬の関係」の一つの側面を明らかにしたに過ぎないということです。
食生活以外にも、遺伝やストレス、生活習慣など、乾癬の発症には様々な要因が複雑に絡み合っています。
それでも、毎日の食事に少し気を配るだけで、体の内側から健康になり、ひいては乾癬の予防や改善に繋がる可能性があるというのは、嬉しいニュースですよね!
PMID:39334198
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