歯周病と栄養:知られざる関係を暴く!

最近、「歯周病は単なる歯ぐきの病気ではない」という言葉を耳にすることが多くなりましたね。

実は、歯周病は全身の健康と密接に関わっていることが最近の研究で明らかになってきています。

糖尿病や心臓病との関連性なども指摘されていますが、今回は、普段私たちが何気なく口にしている「食べ物」と歯周病の関係について、最新の研究結果を交えながら解説していきたいと思います。

フライブルク大学医学センターなど、ドイツとオーストリアの歯周病専門医チームが行った研究によると、ある特定の栄養素を積極的に摂ることで、歯周病の進行を抑えられる可能性があることが示唆されました。

栄養と歯周病の関係って?

従来、歯周病は口の中の細菌によって引き起こされると考えられてきました。

歯磨き指導でも「歯垢をしっかり落としましょう!」と口酸っぱく言われた経験のある方も多いのではないでしょうか。

もちろん、口の中を清潔に保つことは歯周病予防の基本中の基本です。

しかし、近年では、口の中の細菌だけでなく、私たちの体の状態や生活習慣が歯周病の発症や進行に大きく影響を与えることが分かってきました。

その中でも注目されているのが「栄養」です。

私たちの体は、私たちが食べたものから作られます。当然といえば当然ですが、体に良いものを食べれば体は健康になり、逆に体に悪いものを食べ続ければ、体は病気になりやすくなります。これは、お口の中にとっても同じことが言えます。

ある栄養素を摂ると歯周病リスクがダウン?

今回の研究では、被験者を「中等度歯周炎群」と「重度歯周炎群」の2つのグループに分け、日々の食生活と歯周病の関連性を統計的に分析しました。

その結果、水溶性食物繊維、中鎖脂肪酸、カロテン、ビタミンB1、B2、B6、鉄、亜鉛を多く摂取している人ほど、歯周ポケットの深さや歯周組織の炎症が抑えられているという興味深い結果が得られました。

反対に、飽和脂肪酸や遊離糖類(砂糖など)の摂取量が多い人ほど、歯周病のリスクが高くなることも分かりました。

「水溶性食物繊維」は、野菜や果物、海藻類などに多く含まれています。

腸内環境を整える働きがあることでも知られていますが、歯周病菌の増殖を抑える効果もあると言われています。

「中鎖脂肪酸」は、ココナッツオイルなどに多く含まれる脂肪酸の一種です。

抗炎症作用や免疫力アップ効果が期待されています。

「ビタミンB群」は、豚肉やレバー、大豆製品などに多く含まれています。

皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあり、歯周組織の炎症を抑える効果も期待されています。

「鉄」は、レバーやほうれん草、ひじきなどに多く含まれています。

赤血球を作るために必要な栄養素ですが、歯周組織の再生を促す効果もあると言われています。

「亜鉛」は、牡蠣や牛肉、ナッツ類などに多く含まれています。

免疫力を高めたり、傷の治りを早めたりする働きがあり、歯周病菌の増殖を抑える効果も期待されています。

バランスの取れた食事で歯周病を予防しよう!

今回の研究結果から、バランスの取れた食生活を送ることが、歯周病予防に重要であることが改めて示されました。

厚生労働省が推奨する「食事バランスガイド」を参考に、主食・主菜・副菜をバランスよく食べることが大切です。

特に、水溶性食物繊維、中鎖脂肪酸、ビタミンB群、鉄、亜鉛を積極的に摂るように心がけましょう!

ただし、今回の研究はあくまで観察研究であるため、これらの栄養素を摂取すれば必ず歯周病が予防できるというわけではありません。

また、歯周病は、栄養以外にも、喫煙、歯ぎしり、ストレス、糖尿病などの全身疾患、遺伝など、様々な要因が複雑に関係して発症・進行します。

歯周病を予防・改善するためには、日々のセルフケアに加えて、歯科医院での定期的なメインテナンスも重要です。

今回の研究結果を参考に、毎日の食事を見直し、歯周病予防に役立てていきましょう!

PMID:39339702

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