最近、健康診断で「血糖値がちょっと高め」「糖尿病予備群」なんて言われたあなた!ドキッとしたんじゃないでしょうか?
でも、大丈夫!まだ糖尿病と診断されたわけではありません。そして、食生活をちょっと見直すだけで、健康リスクをグッと減らせるかもしれません!
今回は、糖尿病予備群の方必見!日々の食生活で積極的に摂りたいビタミンについて、アメリカの医学誌「Food & Function」に掲載された最新の研究結果を元に解説します!
アメリカの大規模調査でわかった!ビタミンと死亡リスクの関係とは?
アメリカ国立衛生統計センターが実施する、国民健康栄養調査(NHANES)をご存知ですか?これは、アメリカ国民の健康状態や栄養状態を把握するために、定期的に行われている大規模な調査です。
今回ご紹介する研究では、1999年から2018年にかけて行われたNHANESのデータの中から、糖尿病予備群と診断された14,634人のデータを分析し、様々なビタミンの摂取量と、その後の死亡リスクとの関係を調べました。
その結果、いくつかのビタミンで、驚くべき結果が!
●ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンE、ビタミンKを積極的に摂取していた人ほど、あらゆる原因による死亡リスクが有意に低下することがわかりました!これは、これらのビタミンが糖尿病予備群の人の健康長寿に役立つ可能性を示唆しています。
●同様に、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンE、ビタミンKの摂取量が多い人ほど、心血管疾患による死亡リスクも有意に低下することがわかりました。
●反対に、ビタミンDについては、摂取量が多い人ほど、あらゆる原因による死亡リスクと心血管疾患による死亡リスクが上昇することがわかりました。ビタミンDは、骨の健康に欠かせないビタミンとして知られていますが、糖尿病予備群の人にとっては、摂取量に注意が必要かもしれません。
●興味深いことに、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、死亡リスクとの間に単純な直線的な関係ではなく、非線形な関連性を示しました。つまり、これらのビタミン摂取量と死亡リスクの関係は、単純に「多ければ多いほど良い」というわけではなく、適切な摂取量を心がける必要があるということです。
●ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12と死亡リスクの間には、有意な関連性は認められませんでした。
個別に解説!各ビタミンの働きと、過去の研究結果との比較
では、それぞれのビタミンについて、詳しく見ていきましょう。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必須のビタミンです。過去の研究でも、ビタミンB1の摂取量が多い人ほど、高血圧、心不全、心血管疾患による死亡リスクが低下することが報告されており、今回の研究結果と一致しています。
ナイアシンは、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の健康維持に重要な役割を果たすビタミンです。 過去の研究でも、がん患者、非アルコール性脂肪肝疾患患者、糖尿病患者において、ナイアシンの摂取量が多い人ほど、あらゆる原因による死亡リスクが低下することが報告されています。 また、ナイアシンを摂取することで、がん患者の生存率が向上したという報告もあります。
ビタミンB6は、タンパク質や脂質の代謝に関与し、神経伝達物質の合成にも関わる重要なビタミンです。
葉酸は、細胞の分裂や成長に欠かせないビタミンです。 過去の研究では、葉酸のサプリメント摂取が、一般の人々や糖尿病患者のインスリンの働きや血糖コントロールに良い影響を与える可能性が示唆されています。 また、葉酸の摂取は、一般の人々において、心血管疾患の発症率と死亡率を低下させるという報告もあります。今回の研究では、糖尿病予備群において葉酸摂取は全死亡リスクを低下させましたが、心血管疾患による死亡リスクとの有意な関連は認められませんでした。
ビタミンCは、抗酸化作用を持つビタミンとして知られており、コラーゲンの合成や鉄分の吸収を助ける働きもあります。
ビタミンEも、抗酸化作用を持つビタミンとして知られており、細胞の酸化を防ぐことで、動脈硬化やがんなどのリスクを下げると考えられています。 過去の研究でも、ビタミンEの摂取によって、糖尿病ラットの重度の低血糖状態における致死的な不整脈が減少したという研究結果もあります。
ビタミンKは、血液凝固に重要な役割を果たすビタミンですが、近年、骨の健康にも関与していることがわかってきました。 過去の研究では、ビタミンKの摂取量が少ない人ほど、あらゆる原因による死亡リスクが高いことが報告されています。 また、糖尿病予備群の女性にビタミンKを14週間摂取させたところ、インスリン抵抗性には影響を与えませんでしたが、血糖値とインスリン感受性に良い影響を与えたという報告もあります。
一方、ビタミンDについては、過去の研究で、糖尿病予備群の人へのサプリメント摂取が、2型糖尿病の発症リスクを抑制し、正常な血糖値に戻る割合を高めることが示されています。 しかし、ビタミンDのサプリメント摂取は、糖尿病予備群から2型糖尿病への進行リスクを低下させたり、インスリン抵抗性を改善したりする効果がないとする研究結果もあり、その効果についてはまだ議論が続いています。 今回の研究では、ビタミンDの摂取量が多い人ほど、死亡リスクが上昇するという結果でしたが、これは、過去の研究で使用された血清中の25-ヒドロキシビタミンD濃度ではなく、総ビタミンD量を測定しているためかもしれません。
ビタミンAは、視覚の維持や皮膚・粘膜の健康維持に重要な役割を果たすビタミンです。過去の研究では、ビタミンAのサプリメント摂取は、一般の人々の死亡率を低下させないという結果が出ています。糖尿病患者を対象とした研究では、食事やサプリメントからのビタミンA摂取は死亡率の低下と関連していたという報告もありますが、これは、アメリカの成人糖尿病患者ではビタミンA欠乏症の 割合が比較的高く、ビタミンA補充療法の代償効果がより顕著に現れたためかもしれません。
ビタミンB2は、エネルギー代謝や細胞の成長に関わるビタミンです。
ビタミンB12は、赤血球の形成や神経系の機能維持に重要な役割を果たすビタミンです。
まとめ:バランスの取れた食生活で、健康長寿を目指そう!
今回の研究結果から、糖尿病予備群の人は、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKを積極的に摂取することで、健康リスクを減らせる可能性があることがわかりました。
もちろん、特定のビタミンだけをたくさん摂ればいいというわけではありません。バランスの取れた食事を心がけ、これらのビタミンを効率よく摂取できるような食生活を送りましょう。
具体的には、玄米、豚肉、レバー、マグロ、納豆、ほうれん草、ブロッコリー、いちご、アーモンド、ピーナッツなどを積極的に食べるように心がけましょう!
ただし、今回の研究は、あくまでも観察研究であるため、これらのビタミンを摂取することで、確実に健康になれると断言することはできません。 また、ビタミンDのように、摂取量が多すぎると逆効果になる可能性もあるため、サプリメントなどで摂取する場合は、医師に相談するようにしましょう。
この情報が、糖尿病予備群と診断された方の、食生活改善のきっかけになれば幸いです.
PMID:39283315
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