皆さんは、ビタミンEと聞いて何を思い浮かべますか?
「健康に良いんでしょ?」
「アンチエイジング効果があるって聞いたことがある!」
そう思った方も多いのではないでしょうか?
確かにビタミンEは、私たちの健康に欠かせない栄養素の一つです。抗酸化作用を持つことで知られており、細胞の酸化ストレスを軽減し、老化や病気から体を守ってくれる役割を担っています。
しかし、ビタミンEは、 摂りすぎると健康に悪影響を及ぼす可能性がある ことも知られています。
今回は、欧州食品安全機関 (EFSA) が発表した、ビタミンEの許容上限摂取量に関する最新の科学的意見書をもとに、ビタミンEの摂取について詳しく解説していきます。
ビタミンEとは?
ビタミンEは、植物によって合成されるトコフェロールとトコトリエノールの総称です。これらの分子は、α-、β-、γ-、δ-の4種類の異性体を持つため、全部で8種類のビタミンEが存在します。ビタミンEは、細胞膜の酸化を防ぐ働きがあり、体内の脂質の酸化を防ぐことで、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの予防効果が期待されています。
ビタミンEはどのくらい摂ればいいの?
ビタミンEの必要量は、年齢や性別によって異なります。EFSAの報告書では、ヨーロッパの食事調査データに基づき、各年齢層におけるα-トコフェロール摂取量の平均値と95パーセンタイル値が報告されています。
●幼児(4~6か月): 1日あたり50mg
●幼児(7~11か月): 1日あたり60mg
●子供(4~6歳): 1日あたり120mg
●子供(7~10歳): 1日あたり160mg
●子供(11~14歳): 1日あたり220mg
●青年(15~17歳): 1日あたり260mg
●成人(18歳以上): 1日あたり300mg
ビタミンEを摂りすぎるとどうなるの?
ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、体内に蓄積されやすく、過剰摂取は健康への悪影響を引き起こす可能性があります。
EFSAの報告書では、α-トコフェロールの許容上限摂取量(UL)は、成人において1日あたり300mgとされています。この数値は、健康な成人において、長期的に摂取しても安全と考えられる最大量を示しています。
ビタミンEの過剰摂取による主なリスクとしては、出血傾向の増加が挙げられます。これは、ビタミンEが血液凝固を抑制する働きがあるためです。
また、ビタミンEの過剰摂取は、前立腺がんのリスクを高める可能性も示唆されています。ただし、現時点では、更なる研究が必要とされています。
ビタミンEを効率よく摂取するには?
ビタミンEは、様々な食品に含まれています。特に、植物油、ナッツ類、種子類、緑黄色野菜に多く含まれています。また、マーガリンやマヨネーズなどの加工食品にも、ビタミンEが添加されている場合があります。
ビタミンEを効率よく摂取するためには、これらの食品をバランスよく食べることが大切です。
まとめ
ビタミンEは、私たちの健康に欠かせない栄養素ですが、過剰摂取には注意が必要 です。
日頃からバランスの取れた食事を心がけ、サプリメントなどを利用する場合は、必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
PMID:39099617
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