「立つのも座るのもツライ…」 「階段の上り下りが苦痛…」 年齢を重ねるごとに増える体の悩み。
その中でも、多くの人を悩ませているのが関節の痛みではないでしょうか?
特に、変形性関節症は、中高年になると多くの人が経験する身近な病気です。
関節のクッションの役割を果たす軟骨がすり減ってしまうことで、骨同士がぶつかり合い、激しい痛みや炎症を引き起こします。
これまで、変形性関節症の予防や改善には、ビタミンDが良いと言われてきました。
しかし、最新の研究結果によると、実はビタミンDは変形性関節症に影響を与えないという驚きの事実が明らかになったのです!
ビタミンD神話は崩壊?!
「ビタミンDは骨を丈夫にする!」 「カルシウムの吸収を助ける!」 …など、健康効果の高さから、まるで万能薬のように思われていたビタミンD。
「変形性関節症にも効果があるらしい」 そんな話を聞いて、せっせとサプリメントを飲んでいた人もいるのではないでしょうか?
しかし、アメリカの研究チームが発表した論文によると、ビタミンDの血中濃度が高くても、変形性関節症のリスクは低下しないという結果が出たのです!
この研究は、アメリカ疾病予防管理センターが実施している大規模な健康調査「NHANES」のデータを用いて行われました。 2009年から2012年にかけて収集されたデータから、476人の成人を対象に、ビタミンDの血中濃度と変形性関節症の関連性を分析。
その結果、ビタミンDは、変形性関節症の予防や改善に効果がないどころか、発症リスクにも関係がないという衝撃の事実が明らかになったのです。
なぜこれまでの研究と違う結果に?
「あれ? でも、以前はビタミンDが効くって聞いたけど…?」 と疑問に思う人もいるかもしれません。
確かに、過去の研究では、ビタミンDのサプリメントを摂取することで、変形性関節症の痛みが軽減した、関節の動きがスムーズになった、などの報告がありました。
しかし、これらの研究の多くは、サプリメントによる効果を検証したものでした。 今回の研究は、血中ビタミンD濃度と変形性関節症の関連性を調べたものであり、サプリメントの効果を直接検証したわけではありません。
つまり、「サプリメントを飲めば、血中ビタミンD濃度が上昇するとは限らない」 「血中ビタミンD濃度が上昇したとしても、必ずしも変形性関節症が改善するわけではない」 という可能性もあるのです。
睡眠不足が関節の敵だった?!
ビタミンD神話の崩壊… と、少し残念な気持ちになったかもしれませんが、今回の研究では朗報もありました!
なんと、睡眠不足が変形性関節症のリスクを高めるという事実が明らかになったのです!
睡眠不足になると、体の免疫システムが正常に機能しなくなり、炎症反応が起こりやすくなります。 また、痛みを感じやすくなるため、変形性関節症の症状が悪化しやすくなってしまうのです。
「最近、夜更かし気味だなぁ…」 「朝起きても疲れが取れない…」 そんな人は要注意! もしかしたら、あなたの関節は睡眠不足によって、知らないうちに蝕まれているかもしれません。
変形性関節症を防ぐために、今日からできること
今回の研究で改めて注目された、変形性関節症のリスク因子をまとめると…
●加齢
●女性
●肥満
●睡眠不足
これらのリスク因子に心当たりがある人は、今すぐ生活習慣を見直すことが大切です!
【変形性関節症予防のための5つのポイント】
1.質の高い睡眠を確保する
○毎日同じ時間に寝起きする
○寝る前にスマホやパソコンの光を浴びない
○寝る前にカフェインを摂らない
○寝室を暗く静かに保つ
○適度な運動をする
2.適度な運動を心がける
○関節周りの筋肉を鍛えることで、関節への負担を軽減
○ウォーキングや水泳など、関節に負担の少ない運動を選ぶ
○無理のない範囲で、継続することが重要
3.バランスの取れた食事を摂る
○カルシウムやビタミンDなど、骨や関節の健康に必要な栄養素を摂取
○肥満予防のため、カロリーコントロールも意識する
4.関節に負担をかけすぎない
○同じ姿勢を長時間続けない
○重いものを持つときは、腰をかがめて持ち上げる
○無理な動きや、激しい運動は避ける
5.定期的に医師の診察を受ける
○早期発見・早期治療が大切
○関節の痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診する
変形性関節症は、進行すると日常生活に大きな支障をきたす病気です。しかし、日頃から予防を心がけることで、発症や悪化のリスクを減らすことができます。
今日からできることを、少しずつ実践していきましょう!
PMID:39465703
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