皆さんは「目が命!」なんて言葉、聞いたことありますか?
最近では、スマホやパソコンの使用で目を酷使しがち…気づけば視力低下なんてことも…?!
今回はそんな皆さんのために、
2024年8月21日に発表されたばかりの最新論文の内容を分かりやすく解説しちゃいます!
老化と目の病気 〜緑内障と加齢黄斑変性って?〜
歳を重ねると、どうしても体の様々な機能が衰えていきますよね…。
それは残念ながら、私たちの大切な「目」も例外ではありません。
今回の論文で注目されているのは 緑内障と加齢黄斑変性という病気。
これらの病気は、高齢者の失明原因として上位にランクインするほど、深刻な病気なんです。
緑内障
緑内障は、視神経がダメージを受けてしまう病気です。
視神経は、カメラで例えると「フィルム📸」の役割を果たす、とても大切な器官!
緑内障になると、視野が狭くなったり、視力が低下したりするなど、様々な視覚障害を引き起こします。
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性は、網膜の中心部にある「黄斑」と呼ばれる部分がダメージを受ける病気です。
黄斑は、私たちがものを見分けるために重要な役割を果たしています。
加齢黄斑変性が進行すると、視力が低下し、物が歪んで見えたり、中心部が見えにくくなったりするなどの症状が現れます。
目の病気の原因、実は…!?〜活性酸素とミトコンドリアの関係〜
怖い目の病気、一体何が原因で起こってしまうのでしょうか?
実は、これらの病気には、「活性酸素」と「ミトコンドリア」が深く関わっていると言われています。
活性酸素:細胞を攻撃する悪者!
活性酸素とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が変化したものです。
この活性酸素、実は細胞を攻撃する悪者として知られています。
細胞がダメージを受けると、様々な病気のリスクが高まってしまうんです…!
ミトコンドリア:細胞のエネルギー工場!
ミトコンドリアは、細胞の中に存在する小さな器官で、「細胞のエネルギー工場」とも呼ばれています。
ミトコンドリアは、私たちが生きていくために必要なエネルギーを作り出す、とても重要な役割を担っています。
活性酸素の攻撃によってミトコンドリアがダメージを受けると、エネルギーがうまく作られなくなり、細胞の機能が低下してしまいます。
救世主は NAD+ とナイアシン!?〜最新の研究で明らかに!〜
そこで登場するのが、NAD+ ナイアシンです!
NAD+
NAD+とは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド という物質の略称で、私たちの体内で作られる補酵素の一種です。
全ての細胞に存在し、エネルギー代謝や遺伝子の修復など、様々な生命活動に欠かせない重要な役割を担っています。
論文によると、緑内障や加齢黄斑変性の患者さんでは、NAD+ の量が減少していることが報告されています。
NAD+ が減少すると、ミトコンドリアの機能が低下し、活性酸素が増加してしまうため、病気の進行を早めてしまう可能性があると考えられています。
ナイアシン
ナイアシンは、ビタミンB3 としても知られる栄養素です。
ナイアシンは、体内で NAD+ に変換されるため、NAD+ の供給源として重要な役割を果たします。
NAD+ とナイアシンで期待できる効果 〜動物実験や臨床試験の結果は?〜
最新の研究では、NAD+ とナイアシンが緑内障や加齢黄斑変性の治療に有効である可能性が示唆されています。
緑内障に対する効果
マウスを使った実験では、ナイアシンを摂取したマウスは、緑内障による視神経のダメージが抑制され、視神経細胞の密度が維持されることが確認されました。
また、ヒトを対象とした臨床試験では、ナイアシンを摂取することで、視野の感度が改善したという報告もあります。
加齢黄斑変性に対する効果
マウスを使った実験では、ナイアシンを摂取したマウスは、加齢に伴う視細胞の機能低下が抑制されることが確認されました。
また、ヒトを対象とした研究では、ナイアシンを摂取することで、網膜の血管が拡張し、血流が改善されることが報告されています。
網膜の血流が改善されると、網膜への酸素供給が促進され、細胞のダメージを抑制できる可能性があります。
まとめ:視力低下に悩んでいる方は… 〜今後の研究にも期待!〜
これらの研究結果から、NAD+ とナイアシンは、緑内障や加齢黄斑変性の予防や治療に有効である可能性があります。
ただし、現時点ではまだ動物実験や小規模な臨床試験の結果にとどまっており、さらなる研究が必要です。
視力低下が気になる方は、食事の内容を見直したり、サプリメントを検討してみたりするのも良いかもしれませんね。
もちろん、自己判断は禁物! 気になる症状があれば、早めに眼科を受診しましょう。
PMID:39203931
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